大阪の隣の町、堺に行こう
- osakalabo
- 2020年3月3日
- 読了時間: 6分
更新日:2020年5月18日
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堺、という町を知っていますか?関西空港と大阪を結ぶ南海電車によく乗る人や、大阪の地理や歴史に詳しい人なら知っているかも。堺は大阪の南にある町。一見、大阪の郊外にある大阪の衛星都市といった感じですが、もともとはまったく別の町。歴史的にも古墳や商業都市と知られ、当時ヨーロッパで作られた日本の地図にも「堺」の名前がのっているほど。そんな歴史を持つ堺は大阪とはまた違う魅力のある町です。人口は約80万人と韓国の富川市や龍仁市と同じくらい。
ちなみに日本語で境界線のことを「さかい」といいます。実際、堺は昔日本にあった地方区分「国」の境い目。町の名前は河内国と和泉国の境い目にあったことに由来します。よく堺は泉北地区(せんぼく、和泉国の北側)と呼ばれますが、厳密には河内国の一部でもあります。


堺へは路面電車で!
大阪からは、難波から南海電車に乗って約10分。天王寺からもJRに乗って約10分。堺にあるターミナルは南海本線の堺駅、南海高野線の堺東駅、JRの堺市駅の3つあります。
でも大阪から堺へは、もっと面白い行き方があります。それは路面電車の阪堺電車で行く方法。天王寺駅前から堺方面へ道路の上を走る電車、路面電車が運行しています。所要時間は30分と電車よりもかかりますが、町のど真ん中を走る路面電車は乗っているだけで町の風情を楽しめます。千と千尋の神隠しもでてきた路面電車です。

利休と与謝野晶子ー利晶の杜で茶道体験
堺を代表する有名人といえば、茶人である千利休と、歌人・作家である与謝野晶子。そんな二人の名前から1文字ずつとった博物館が「さかい利晶の杜(りしょうのもり)」。展示スペースは1階と2階にわかれ、1階が与謝野晶子記念館、2階が千利休茶の湯館。それぞれ与謝野晶子と千利休と堺の町との関わりが展示されています。
また1階には茶室「さかい待庵」があります。これは千利休が京都に作らせた茶室を再現したもの。実際に中に入って見学することもできます。
また茶の湯体験施設では、椅子席や茶室で実際の茶道の先生からお茶がふるまわれる茶の湯を体験できます。特に椅子席の「立礼呈茶」は予約無しで体験が可能。
また施設横にあるのが千利休屋敷跡。茶の水を汲んだと言われる井戸もあります。
<さかい利晶の杜>
堺市堺区宿院町西2丁1番1号
072-260-4386
9:00~18:00 (茶の湯)10:00~17:00
第3火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
観覧料300円、さかい待庵特別観覧セット1000円。


仁徳天皇陵と堺市博物館
堺で今なんといっても注目なのは「百舌鳥・古市古墳群」として世界遺産に登録された古墳!堺には履中(りちゅう)天皇陵や反正(はんぜい)天皇陵など大小さまざまの古墳がたくさんありますが、中でも仁徳天皇陵(大仙(だいせん)古墳)はエジプトのピラミッドや秦の始皇帝の墓に匹敵するほど規模の大きさ。ちなみに地上から見ると一見ただの森で、全くその形がわかりません。形がわかるのは上空から見下ろすしかありませんが、仁徳天皇陵の横にある大仙公園の中の博物館、堺市博物館にはVRコーナーがあり、古墳を上から見た姿をVRで確認することができます。
堺市博物館では石器や土器の時代の堺から、古墳時代の堺、商人や職人が集まった商業都市の堺、1615年に大阪で起きた戦争で焼け野原となり、その後再建された江戸時代の堺から明治への堺と、堺の歴史をひと目で見ることができます。
大仙公園の中にも小さな古墳が10基以上あります。大きな古墳は見えなくても、小さな古墳なら実際に見てわかります。また大仙公園はライトアップも行われる桜と紅葉の名所としても知られています。
<堺市博物館>
堺市堺区百舌鳥夕雲町(もずせきうんちょう)2丁 大仙公園内
072-245-6201
9:30~17:15(入館は16:30まで) 月曜日(祝日・休日の場合は開館)、年末年始
※「百舌鳥古墳群シアター」と「百舌鳥古墳群疑似体験ツアー(仁徳天皇陵古墳VRツアー)」のみ利用いただける場合あり
200円



名産の包丁を買うなら「堺伝統産業会館」
実は堺は以前、商業都市だけでなく、日本刀や銃の生産拠点でした。いまでも包丁は堺の名産品となっています。堺伝統産業会館にある「堺刃物ミュージアム」では堺で作られている沢山の種類の包丁などの刃物を見ることができ、実際に購入もできます。また1Fにある「堺いち」では刃物や線香、ゆかた、昆布、敷物、和菓子など堺のさまざまな名産を購入することができます。また包丁研ぎの実演見学やお香づくりの体験、和菓子作り実演の見学などもできます。
<堺伝統産業会館>
堺市堺区材木町西一丁1-30
072-227-1001 10:00〜17:00 年末年始 12/29~1/3 無料

町家を体験できる「町家歴史館山口家住宅」と「清学院」 堺には古い町家の建物が残されていて、見学することもできます。
「山口家住宅」は昔の商家。母屋は日本でも珍しい江戸時代初期の建築で、400年の歴史があります。天井の高い土間から日常空間の板間や3つ並んだ畳の部屋、お客様をもてなす奥座敷や茶室、さらには庭園など、繁栄した当時の商家の様子がしのばれます。国の重要部文化財でもあります。
<町家歴史館山口家住宅>
堺市堺区錦之町東1丁2-31
072-224-1155
10:00~17:00
火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
200円(清学院と共通250円)

清学院はもともと修験道(しゅげんどう)の寺院。その建物に江戸時代後期から明治初期に寺子屋がありました。寺子屋とは昔の塾のようなもので、韓国でいえば書堂にあたります。中には当時使われた机なども再現、当時の教科書なども展示されています。
またこちらの寺子屋は明治時代、鎖国中のチベットに仏典を求めて訪れた河口慧海(かわぐちえかい)が学んだ場所としても有名。国の登録有形文化財です。
<清学院>
堺区北旅籠町西1丁3-13
072-228-1501
10:00~17:00(入館は16:30まで)
火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料100円(山口家と共通250円)

路面電車でよりみち、浜寺公園と住吉大社 路面電車の終点、浜寺駅前ににあるのが浜寺(はまでら)公園。大阪で最も古い公園の1つで、松林も有名。公園の中にはプールやバラ園、交通遊園のほかテニスコートやアーチェリー、野球場などがあり、イベントもよく行われ、大阪や堺の人にとって身近な行楽地となっています。せっかく路面電車で堺に行くのなら終点まで足を伸ばしてもいいかも。近くには南海電車の駅「浜寺公園」もあります。この浜寺公園駅の旧駅舎は東京駅と同じ辰野金吾の設計で、1907年に建てられ、100年以上の歴史を持つ駅舎。国の登録有形文化財でもあります。
<浜寺公園>
堺市西区浜寺公園町
072-261-0936

また路面電車は天王寺と堺の間に、住吉大社の目の前を通ります。路面電車を途中現車し、住吉大社にもよることができます。また、住吉大社から天王寺方面ではなく恵美須町に向かう路面電車に乗れば、新世界や通天閣にもよることができます。
<住吉大社>
大阪市住吉区住吉2丁目9−89
その他、堺には海側に海鮮を扱う「堺魚市場」や歴史的な灯台である「旧堺燈台」、鉄砲鍛冶屋敷である「水野鍛錬所」、百舌鳥古墳群の「ニサンザイ古墳」「いたすけ古墳」などの名所もあります。「水野鍛錬所」では日本刀を鍛錬する様子を見ることができます。
いかがでしたか。大阪と関西空港の間にある堺だから、大阪に向かう前に、または空港に向かう前によるのもよし。特急のラピートも堺に停車します。大阪とは違う、古墳や商業都市など昔から何度も栄えた町、堺も是非訪れてみてくださいね。
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